要介護認定前でも訪問介護に相談できる?

「まだ要介護認定を受けていないけれど、訪問介護に相談してもいいの?」

「親の生活が心配。でも、介護保険の申請が必要な状態なのか分からない」

「退院が決まったけれど、認定結果を待っていたら間に合わない」

介護が初めて必要になったとき、どの段階で相談すればよいのか分からない方は少なくありません。

結論からお伝えすると、要介護認定を受ける前でも、訪問介護事業所や地域包括支援センターへ相談できます。

むしろ、介護が必要かどうか分からない段階だからこそ、早めに相談することが大切です。

ただし、

相談できること
介護保険を使って訪問介護を利用できること

は、同じではありません。

この記事では、要介護認定前の相談方法や、認定結果が出る前にサービスを利用したい場合の注意点について、尼崎市武庫之荘の「ヘルパーステーションひまわりの約束」が分かりやすく解説します。

目次

結論|要介護認定前でも相談できます

要介護認定を受けていなくても、介護に関する相談は可能です。

例えば、次のような段階でも相談して構いません。

  • 親が一人で入浴できなくなってきた
  • 掃除や洗濯ができていない
  • 転倒することが増えた
  • 薬を飲み忘れている
  • 認知症かもしれないと感じる
  • 退院後の生活が不安
  • 家族だけで支えることが難しくなってきた
  • 要介護認定を申請すべきか分からない
  • どのようなサービスを使えるか知りたい

「まだ介護を受けるほどではないかもしれない」

「本人が介護を嫌がっている」

「こんな小さなことで相談していいのかな」

そのように思い、相談を先延ばしにしてしまうこともあります。

しかし、状態が悪化してから急いで手続きを始めるより、少し余裕のある段階で情報を集めておく方が、本人や家族が選べる方法は増えます。

「相談」と「介護保険での利用」は別です

訪問介護事業所へ相談するだけであれば、要介護認定は必要ありません。

現在の生活状況や困りごとを聞き、

  • 要介護認定の申請が必要か
  • どこへ相談すればよいか
  • ケアマネジャーを探す必要があるか
  • 訪問介護で対応できる内容か
  • 別のサービスが適しているか

などを一緒に整理できます。

一方、介護保険を使って訪問介護を利用するためには、原則として要介護・要支援認定を受け、ケアプランなどに必要なサービスを位置づけてもらう必要があります。

尼崎市も、介護保険サービスを利用するには、介護等が必要な状態であることの認定を受け、認定後にケアプランを作成してサービスを利用する流れを案内しています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/1032914/044nintei/044nagare.html

つまり、

認定前でも相談はできる
介護保険での正式な利用には手続きが必要

ということです。

要介護認定前はどこに相談すればいい?

尼崎市で要介護認定前に相談できる主な窓口は、次のとおりです。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、高齢者の介護・福祉・医療・生活に関する総合相談窓口です。

尼崎市には合計12か所の地域包括支援センターが設置されており、住んでいる地域によって担当センターが決まっています。

相談の対象は、おおむね65歳以上で生活に支障がある方や、将来的に支障が出る可能性がある方、そのご家族です。相談料は無料です。2026年4月以降の開所時間は、原則として月曜日から土曜日の午前9時から午後5時までと案内されています。

「介護保険を申請するべきか分からない」という段階でも相談できます。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/sisetu/061sisetu02/041houkatu.html

尼崎市の介護保険担当窓口

介護保険制度や要介護認定の申請については、尼崎市の介護保険事業担当課へ相談できます。

尼崎市は、介護保険制度、要介護認定、認定調査、保険給付、ケアプランに関する問い合わせ先をそれぞれ案内しています。

申請手続きを具体的に確認したい場合に適しています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/044toiawasesaki.html

居宅介護支援事業所

居宅介護支援事業所には、ケアマネジャーが在籍しています。

本人の状態や家族の状況を聞き、認定申請や必要なサービスについて相談できる場合があります。

尼崎市では、要介護認定の申請を本人や家族だけでなく、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業所などに代行してもらうこともできます。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/1032914/044nintei/044sinseihoho.html

訪問介護事業所

利用を検討している訪問介護事業所へ、直接相談することもできます。

ただし、訪問介護事業所は、原則としてケアプランを作成する事業所ではありません。

そのため、相談内容によっては、

  • 地域包括支援センター
  • 居宅介護支援事業所
  • 尼崎市の担当窓口
  • 医療機関

などをご案内することがあります。

ヘルパーステーションひまわりの約束でも、

「要介護認定を受けていない」

「ケアマネジャーが決まっていない」

という段階からご相談を受け付けています。

どのような変化があったら相談する?

介護の相談には、明確な基準があるわけではありません。

ただ、以前はできていたことが難しくなったときは、一つの相談のタイミングです。

身体面の変化

  • ベッドや椅子から立ち上がれない
  • 歩くとふらつく
  • 転倒が増えた
  • 一人で入浴できない
  • トイレに間に合わない
  • 着替えに時間がかかる
  • 食事量が減った

生活面の変化

  • 部屋が片づかなくなった
  • 同じ食品ばかり買っている
  • 洗濯物がたまっている
  • ゴミを出せていない
  • 電気やガスの消し忘れがある
  • 薬を正しく飲めていない
  • 郵便物や支払いを管理できない

認知面の変化

  • 同じ話を何度もする
  • 財布や鍵を頻繁になくす
  • 時間や場所が分からなくなる
  • 外出して帰れなくなりそうになる
  • 怒りっぽくなった
  • 以前と性格が変わったように感じる

家族側の変化

  • 家族が仕事と介護を両立できない
  • 夜間の対応で眠れない
  • 介護をする家族も高齢
  • 遠方に住んでいて頻繁に通えない
  • 家族だけでは入浴や移乗を支えられない

本人の状態だけでなく、介護する家族の負担も大切な相談内容です。

限界になるまで我慢する必要はありません。

要介護認定の申請に必要なもの

尼崎市で要介護・要支援認定を申請する際は、主に次のものが必要です。

  • 要介護・要支援認定申請書
  • 介護保険被保険者証
  • 主治医の病院名・氏名・所在地が分かるもの

40歳以上65歳未満の方は、介護保険の対象となる16種類の特定疾病に該当することが必要で、医療保険の資格情報を確認できる書類も必要です。

申請は本人または家族が行うほか、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業所などへ代行を相談できます。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/1032914/044nintei/044sinseihoho.html

申請後は、認定調査と主治医意見書の作成、介護認定審査会での審査を経て、要支援・要介護などの結果が決まります。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/1032914/044nintei/044nagare.html

認定結果が出る前でも訪問介護を利用できる?

状況によっては、要介護認定の申請後、結果が出る前からサービスを利用できる場合があります。

その際に作成されるのが、暫定ケアプランです。

暫定ケアプランとは、認定結果がまだ確定していない段階で、要介護度などを予測して作成する一時的なケアプランです。

尼崎市の2026年の介護予防支援・ケアマネジメント資料でも、新規の要介護認定申請後、結果が出るまでにサービスを利用する場合は、暫定ケアプランが必要になるとされています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/res/projects/default_project/_page/001/004/120/202607103.pdf

例えば、

  • 退院日が決まっている
  • 一人で生活することが危険
  • 家族の介護が限界
  • 急に身体状態が悪化した
  • すぐに入浴や排せつの介助が必要

といったケースです。

ただし、申請しただけで自動的に訪問介護を利用できるわけではありません。

地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などへ早めに相談し、必要性やサービス内容、費用負担のリスクを確認する必要があります。

暫定利用には自己負担のリスクがある

暫定ケアプランによる利用には、注意点があります。

認定結果が、

  • 非該当になった
  • 予想していた要介護度より低かった
  • 利用したサービスが認定後の給付対象に収まらなかった

という場合、利用したサービス費の全部または一部が自己負担になる可能性があります。

尼崎市の最新資料でも、認定結果が非該当になった場合や、暫定ケアプランで想定した要介護度より低くなった場合には、費用の全部または一部が自己負担になる可能性があるため、事前説明が必要とされています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/res/projects/default_project/_page/001/004/120/202607103.pdf

そのため、

急いでいるから、とりあえずサービスを使う

という判断は避けた方がよいでしょう。

暫定利用を検討する場合は、必ずケアマネジャーや地域包括支援センターなどと相談し、想定される自己負担も理解したうえで進めることが大切です。

要支援か要介護か分からない場合

認定結果が要支援になるのか、要介護になるのか判断しにくいこともあります。

要支援の場合は地域包括支援センターなどが中心となり、要介護の場合は居宅介護支援事業所のケアマネジャーが中心となってケアプランを作成します。

尼崎市は、結果が要支援・要介護のどちらになるか判断しにくい方が暫定利用する場合、居宅介護支援事業所と地域包括支援センターが連携して暫定ケアプランを作成するよう示しています。

本人や家族だけで判断するのではなく、専門職同士で連携してもらうことが重要です。

末期がんなど、急いでいる場合は早めに伝える

末期がんなどにより状態の変化が早く、数日を争うケースもあります。

尼崎市では、短期間のうちに死亡するおそれがあるなど、緊急の認定調査が必要な場合、申請書に緊急対応を必要とする事情を記載し、可能な範囲で速やかに認定調査を進める手続きを案内しています。

認定調査が完了する前に本人が亡くなった場合、必要な資料がそろわず申請が却下され、暫定ケアプランで利用したサービスが全額自己負担になる場合もあります。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/1032914/044nintei/1030850.html

緊急性が高い場合は、

  • 病状
  • 退院予定日
  • 今後必要になるサービス
  • 家族の介護状況
  • 認定結果を急ぐ理由

を具体的に伝えてください。

「まだ早いかもしれない」と遠慮せず、速やかに相談することが大切です。

認定前の相談で伝えるとよいこと

相談するときは、完璧に説明できなくても問題ありません。

次の内容を分かる範囲で整理しておくと、話が進みやすくなります。

本人の基本情報

  • 年齢
  • 住所
  • 同居家族
  • 主な病気
  • かかりつけ医
  • 入院・退院予定
  • 介護保険申請の有無

困っていること

  • 入浴できない
  • 排せつに介助が必要
  • 食事を作れない
  • 掃除ができない
  • 薬を飲み忘れる
  • 一人で病院へ行けない
  • 夜間に何度も起きる

緊急性

  • いつまでに支援が必要か
  • 今、誰が介護しているか
  • 家族がいつまで対応できるか
  • 一人で生活を続ける危険があるか

「訪問介護を使いたい」という希望だけでなく、何に困っているのかを具体的に伝えることが大切です。

要介護認定が非該当だったら何も利用できない?

認定結果が非該当だったからといって、すべての相談が終わるわけではありません。

本人の状態によっては、

  • 尼崎市の介護予防・生活支援
  • 地域の見守りや生活支援
  • 民間の家事代行
  • 配食サービス
  • 介護保険外の自費サービス
  • 医療・福祉の別制度

などを検討できる可能性があります。

利用できる制度やサービスは本人の状態によって異なるため、地域包括支援センターなどへ引き続き相談してください。

ひまわりの約束でも、介護保険外の自費サービスを含め、相談内容に応じた方法を一緒に考えています。

よくある質問

要介護認定の申請前でも訪問介護事業所に電話できますか?

はい。

現在の生活状況や困りごとについて相談できます。

ただし、介護保険を使って正式に訪問介護を利用するには、原則として認定やケアプランなどの手続きが必要です。

本人が介護保険の申請を嫌がっています

本人が介護を拒否するケースは珍しくありません。

無理に説得しようとすると、関係が悪化することもあります。

まずは家族だけで地域包括支援センターや訪問介護事業所へ相談し、本人への伝え方や関わり方を一緒に考える方法があります。

ケアマネジャーがいなくても相談できますか?

はい。

要介護認定前で担当ケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センター、尼崎市、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所などへ相談できます。

申請したらすぐに訪問介護を利用できますか?

申請しただけで自動的に利用できるわけではありません。

認定結果前に利用する場合は、暫定ケアプランの作成や事業所との調整が必要です。

また、認定結果によっては費用の全部または一部が自己負担になる可能性があります。

退院日が近い場合はどうすればいいですか?

できるだけ早く、病院の医療ソーシャルワーカー、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへ相談してください。

退院日、必要な介助、住環境、家族の対応状況を共有し、認定申請や暫定サービスの必要性を検討します。

家族だけでも相談できますか?

はい。

本人が相談に参加できない場合や、本人に知られずにまず情報を集めたい場合でも、家族から相談できます。

尼崎市の地域包括支援センターも、高齢者本人だけでなく、その家族を相談対象としています。

https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/kurashi/koreisya/sisetu/061sisetu02/041houkatu.html

私たちが大切にしていること

介護は、ある日突然必要になることがあります。

昨日までできていたことができなくなる。

入院し、退院後の生活が変わる。

認知症が進み、一人で生活することが難しくなる。

家族が仕事を休み続けなければならなくなる。

そのような状況で、介護保険の仕組みを一から調べることは簡単ではありません。

何から始めればいいのか。

どこへ電話すればいいのか。

訪問介護を使えるのか。

いくらかかるのか。

不安になるのは当然です。

だからこそ、

「認定を受けてから相談しよう」

ではなく、

「困り始めた段階で相談する」

ことが大切だと考えています。

相談したからといって、必ず契約しなければならないわけではありません。

すぐに訪問介護を利用しない場合でも、必要な手続きや相談先を知っておくことで、いざというときに動きやすくなります。

尼崎市で介護の相談先をお探しの方へ

ヘルパーステーションひまわりの約束は、尼崎市武庫之荘を拠点に、訪問介護・居宅介護・重度訪問介護・同行援護・移動支援・介護保険外の自費サービスを提供しています。

「要介護認定を受けていない」

「申請した方がいいか分からない」

「ケアマネジャーが決まっていない」

「退院まで時間がない」

「家族だけでの介護が難しい」

そのような段階でもご相談ください。

介護保険でできること。

今から準備しておくこと。

どこへ相談すればよいか。

一つずつ整理します。

介護は、限界まで一人で抱え込むものではありません。

少しでも生活に不安を感じたら、早めに声をかけてください。


執筆者情報

執筆者:夏梅 勇太

株式会社ケアエンリッチメント代表取締役
ヘルパーステーションひまわりの約束 管理者
介護福祉士

兵庫県尼崎市で訪問介護・障がい福祉サービス事業を運営。訪問介護の現場、事業所運営、人材採用・育成に携わっています。

※この記事は2026年8月時点の情報をもとに作成しています。要介護認定や暫定ケアプランの取り扱いは、本人の状態、申請状況、認定結果、利用するサービス、自治体の判断などによって異なります。実際の利用については、地域包括支援センター、担当ケアマネジャー、尼崎市、訪問介護事業所へご確認ください。


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