
尼崎市で訪問介護を利用するまでの流れ

「親の生活を手伝ってほしいけれど、どこに相談すればいいの?」
「訪問介護を利用するには、要介護認定が必要?」
「ヘルパーさんは、連絡したらすぐに来てもらえるの?」
初めて介護サービスを利用するときは、分からないことが多いと思います。
市役所へ行くのか。
ケアマネジャーを探すのか。
先に訪問介護事業所へ連絡するのか。
制度の言葉も難しく、何から始めればよいか迷ってしまう方も少なくありません。
訪問介護を介護保険で利用する場合は、基本的に要介護・要支援認定を受け、ケアプランを作成したうえで、訪問介護事業所と契約します。
この記事では、尼崎市で訪問介護を利用するまでの流れを、尼崎市武庫之荘の「ヘルパーステーションひまわりの約束」が分かりやすくご説明します。
尼崎市で訪問介護を利用するまでの全体的な流れ
訪問介護を利用するまでの基本的な流れは、次のとおりです。
- 介護について相談する
- 要介護・要支援認定を申請する
- 認定調査と主治医意見書の作成が行われる
- 要介護・要支援認定の結果を受け取る
- ケアマネジャーなどへケアプラン作成を依頼する
- 訪問介護事業所を選ぶ
- 事前訪問・契約・訪問介護計画の作成
- 訪問介護サービスを開始する
介護保険サービスでは、認定を受けたあと、本人や家族の希望に沿ってケアプランを作成し、その内容に基づいてサービスを利用します。
それぞれの段階を詳しく見ていきます。
1.まずは介護について相談する
最初に行うことは、現在の困りごとを誰かに相談することです。
この段階では、まだ要介護認定を受けていなくても問題ありません。
例えば、次のような状態があれば、早めの相談をおすすめします。
- 一人での入浴が難しくなってきた
- 転倒することが増えた
- 掃除や洗濯ができなくなってきた
- 薬を飲み忘れることがある
- 認知症と思われる変化がある
- 退院後の自宅生活に不安がある
- 家族だけで介護を続けることが難しい
- 離れて暮らす親の生活が心配
- 介護保険の仕組みが分からない
尼崎市では、市内に12か所の地域包括支援センターが設置されています。
地域包括支援センターは、高齢者本人だけでなく、ご家族からの相談にも対応する地域の総合相談窓口です。相談料は無料で、保健師・看護師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が配置されています。
住んでいる地域によって担当の地域包括支援センターが決まっています。
どこへ連絡すればよいか分からない場合は、尼崎市役所へ確認することもできます。
また、すでに利用したい訪問介護事業所が決まっている場合は、直接その事業所へ相談しても構いません。
ヘルパーステーションひまわりの約束でも、
「介護サービスを利用できるか分からない」
「ケアマネジャーが決まっていない」
という段階からご相談を受け付けています。
2.要介護・要支援認定を申請する
介護保険の訪問介護サービスを利用するには、原則として要介護・要支援認定を受ける必要があります。
尼崎市では、介護保険事業担当課または南北保健福祉センターで申請できます。
申請は本人や家族が行うことが基本ですが、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業所などに代行を依頼することもできます。
申請時に必要なもの
尼崎市が案内している主な必要書類は、次のとおりです。
- 要介護・要支援認定申請書
- 介護保険被保険者証
- 主治医の病院名・氏名・所在地が分かるもの
40歳以上65歳未満の第2号被保険者が申請する場合は、16種類の特定疾病に該当することが必要で、医療保険の資格情報を確認できる書類も必要です。
主治医が決まっていない場合や、長期間病院を受診していない場合は、申請前に相談しておくと手続きが進みやすくなります。
3.認定調査を受ける
申請後、尼崎市の担当者や市から委託された調査員が、本人の自宅や入院先などを訪問します。
これが「認定調査」です。
調査では、本人や家族への聞き取りを行い、次のような状態を確認します。
- 寝返りや起き上がり
- 立ち上がりや歩行
- 食事や水分摂取
- 入浴や排せつ
- 着替え
- 薬の管理
- 記憶や理解力
- 日常生活で困っていること
- 認知症による行動
- 家族の介護状況
- 住環境
尼崎市の認定調査では、心身の状態や生活環境などについて、全国共通の調査項目をもとに確認が行われます。
認定調査では普段の状態を伝える
調査の日だけ本人が頑張り、普段よりも元気に受け答えをすることがあります。
本人が調査員の前では、
「何でも自分でできます」
「家族には迷惑をかけていません」
と答えることもあります。
しかし、普段の生活では転倒していたり、食事や薬の管理ができていなかったりすることもあります。
本人の前では話しにくい内容がある場合は、事前にメモを用意して調査員へ渡す方法もあります。
困っていることを大げさに伝える必要はありません。
反対に、遠慮して隠す必要もありません。
普段の状態を正確に伝えることが大切です。
4.主治医意見書が作成される
認定調査とあわせて、主治医が「主治医意見書」を作成します。
主治医意見書には、病気や治療の状況、心身の状態、認知症の状態、医学的な管理の必要性などが記載されます。
意見書は、尼崎市から主治医へ直接作成を依頼します。
ただし、最近の診察がない場合は、医療機関から受診を求められる可能性があります。
介護が必要になった原因や、日常生活で困っている状態について、主治医にも伝えておくことが大切です。
5.要介護・要支援認定の結果を受け取る
認定調査の内容と主治医意見書をもとに、一次判定と介護認定審査会による審査が行われます。
その結果、次のいずれかに判定されます。
- 非該当
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
要介護度によって、利用できる介護保険サービスの量や上限などが変わります。
認定には調査や主治医意見書、審査が必要です。
申請してすぐに結果が出るわけではないため、退院日が決まっている場合や、家族の介護が限界に近づいている場合は、できるだけ早く相談してください。
6.ケアマネジャーへケアプラン作成を依頼する
認定結果が出たら、本人の状態に応じてケアプランを作成します。
ケアプランとは、
「どのような生活を目指すのか」
「どの介護サービスを、どのくらい利用するのか」
をまとめた計画書です。
要支援1・2の場合
新たに要支援1または要支援2と認定された方は、原則として、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターへ介護予防ケアプランの作成を依頼します。
要介護1~5の場合
要介護1から要介護5の方は、居宅介護支援事業所を選び、ケアマネジャーへケアプランの作成を依頼します。
ケアマネジャーは自宅を訪問し、本人の心身の状態、生活環境、家族の状況、本人と家族の希望などを確認します。
そのうえで、訪問介護、訪問看護、デイサービス、福祉用具など、必要なサービスを組み合わせます。
ケアマネジャーには、ケアプランを作成するだけでなく、介護サービス事業所や医療機関、地域の関係機関との連絡・調整を行う役割があります。
尼崎市では、ケアプラン作成にかかる費用は全額が介護保険給付の対象となり、利用者の自己負担はありません。
7.訪問介護事業所を選ぶ
ケアプランに訪問介護が必要と位置づけられたら、実際にサービスを提供する訪問介護事業所を選びます。
事業所を選ぶときは、次の点を確認することが大切です。
- 自宅がサービス提供地域に含まれているか
- 希望する曜日や時間に対応できるか
- 身体介護や生活援助に対応できるか
- 土日・早朝・夜間に対応しているか
- 男性・女性ヘルパーの希望を相談できるか
- 医療機関やケアマネジャーとの連携体制
- 緊急時の連絡方法
- 料金や加算
- 事業所やスタッフの考え方
必ずしも自宅から一番近い事業所を選ぶ必要はありません。
対応できる時間帯や支援内容、担当者との相性なども重要です。
分からない場合は、ケアマネジャーに複数の事業所を紹介してもらうこともできます。
8.訪問介護事業所との事前面談
利用する訪問介護事業所が決まったら、サービス提供責任者などが本人の自宅を訪問します。
事前面談では、主に次の内容を確認します。
- 本人の心身の状態
- 家の中の環境
- 希望する支援内容
- 生活の習慣
- 使用する福祉用具
- 転倒や事故の危険性
- 薬や食事に関する注意点
- 家族の状況
- 緊急時の連絡先
- 鍵や現金の取り扱い
- 訪問時に注意すること
訪問介護は、同じ「掃除」や「入浴介助」であっても、利用者さまによって支援方法が異なります。
どこまで本人ができるのか。
どこを手伝う必要があるのか。
どのような声かけが必要なのか。
細かく確認したうえで、安全な支援方法を考えます。
9.契約・重要事項の説明
訪問介護事業所から、契約内容や重要事項の説明を受けます。
確認しておきたい主な内容は、次のとおりです。
- サービス内容
- 利用料金
- 加算
- 交通費などの費用
- キャンセル料
- 営業日・営業時間
- サービス提供時間
- 緊急時の対応
- 事故発生時の対応
- 苦情相談窓口
- 個人情報の取り扱い
- 契約の変更・終了
- 訪問できない場合の対応
分からない言葉があれば、その場で質問してください。
説明を受けたからといって、理解できないまま署名する必要はありません。
本人や家族が納得したうえで契約することが大切です。
10.訪問介護計画を作成する
訪問介護事業所は、ケアマネジャーが作成したケアプランに沿って「訪問介護計画」を作成します。
訪問介護計画には、訪問する曜日・時間、支援内容、支援の目標、具体的な介助方法などが記載されます。
訪問介護計画は、利用者さま一人ひとりの身体状況や生活状況に合わせて、訪問介護事業所が作成する計画です。
内容を説明し、本人または家族の同意を得たうえでサービスを開始します。
11.訪問介護サービスが始まる
契約と計画の作成が終われば、決められた日時から訪問介護サービスが始まります。
初回は、サービス提供責任者と担当ヘルパーが一緒に訪問する場合があります。
実際の支援内容や注意点を確認しながら、安全にサービスを開始します。
訪問介護で利用できる主なサービスには、次のようなものがあります。
身体介護
- 食事介助
- 入浴介助
- 排せつ介助
- 着替え
- 移動・移乗介助
- 起床・就寝介助
- 通院や外出に関する介助
- 服薬に関する支援
生活援助
- 掃除
- 洗濯
- 調理
- 買い物
- ベッドメイク
- 衣類の整理
ひまわりの約束では、利用者さまの身体状況や生活環境に合わせて、身体介護や生活援助を提供しています。
認定結果が出る前に利用したい場合
退院が急に決まった場合や、家族が介護を続けられない場合など、認定結果を待つことが難しいケースもあります。
状況によっては、認定申請後に暫定的なケアプランを作成し、結果が出る前からサービスを利用する方法が検討されることもあります。
ただし、認定結果が想定と異なった場合や非該当になった場合、利用したサービスの一部または全部が自己負担になる可能性があります。尼崎市も、暫定ケアプランで利用した場合の自己負担リスクについて案内しています。
認定前の利用を希望する場合は、自己判断でサービスを依頼せず、地域包括支援センター、ケアマネジャー、尼崎市、訪問介護事業所へ必ず相談してください。
訪問介護開始後も内容は変更できる
一度決めたケアプランや訪問介護計画が、ずっと変わらないわけではありません。
例えば、
- 歩けなくなった
- 入浴が難しくなった
- 認知症が進んだ
- 家族が仕事を始めた
- 入院や退院があった
- 利用する曜日を変えたい
- 掃除より身体介護が必要になった
このような変化があれば、ケアマネジャーや訪問介護事業所へ相談してください。
尼崎市も、本人や家族の状況が変わったときは、ケアマネジャーへ相談し、サービスの組み合わせやケアプランを見直すよう案内しています。
訪問介護は、契約して終わりではありません。
利用者さまの生活や身体の変化に合わせて、支援内容を見直していくサービスです。
よくある質問
要介護認定を受けていなくても相談できますか?
はい。
要介護認定を受けていない段階でも、地域包括支援センターや訪問介護事業所へ相談できます。
介護保険の申請が必要かどうかも含めて確認します。
ケアマネジャーがいない場合はどうすればいいですか?
要介護認定を受けていない方や、要支援と認定された方は、お住まいの地域を担当する地域包括支援センターへ相談してください。
要介護1~5の認定を受けている方は、居宅介護支援事業所を選び、ケアマネジャーへケアプラン作成を依頼します。
ひまわりの約束へ直接ご連絡いただいた場合も、状況に応じて相談先をご案内します。
訪問介護事業所へ直接連絡しても大丈夫ですか?
はい。
訪問介護を利用できるか分からない段階でも、直接相談できます。
ただし、介護保険でサービスを利用するためには、基本的に要介護認定とケアプランへの位置づけが必要です。
家族が代理で手続きをできますか?
要介護認定の申請は、本人または家族が行うことが原則です。
地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業所などに、申請代行を相談することもできます。
訪問介護事業所は自由に選べますか?
はい。
利用者さま本人やご家族が選べます。
ケアマネジャーから紹介を受けることもできますが、紹介された事業所と必ず契約しなければならないわけではありません。
対応時間、支援内容、事業所の方針などを確認して選びましょう。
ケアプランの作成に費用はかかりますか?
居宅介護支援事業所などによるケアプラン作成費用は、全額が介護保険から給付されるため、利用者負担はありません。
相談してから、すぐに利用できますか?
要介護認定の状況、ケアマネジャーの決定、事業所の空き状況、希望する曜日や時間帯などによって異なります。
退院などで利用開始の希望日が決まっている場合は、できるだけ早く相談してください。
尼崎市で訪問介護をご検討中の方へ
ヘルパーステーションひまわりの約束は、尼崎市武庫之荘を拠点に、高齢者・障がい者の方への在宅支援を行っています。
訪問介護では、食事、入浴、排せつ、着替えなどの身体介護や、掃除、洗濯、調理、買い物などの生活援助を提供しています。
「何から始めればいいか分からない」
「ケアマネジャーが決まっていない」
「退院後の生活が不安」
「家族だけで介護を続けることが難しい」
そのような段階でも、まずはご相談ください。
私たちは、制度の説明だけをして終わるのではなく、現在どのようなことに困っているのかをお聞きします。
介護保険で何ができるのか。
どこへ相談すればよいのか。
どのような支援が必要なのか。
一つずつ整理しながら、一緒に考えていきます。
介護や障がいに関する悩みを、家族だけで抱え込む必要はありません。
小さな変化でも、早めに相談することで選べる方法が増えることがあります。
住み慣れたご自宅で、少しでも安心して生活を続けられるように。
ひまわりの約束が、しっかりサポートします。
執筆者情報
執筆者:夏梅 勇太
株式会社ケアエンリッチメント代表取締役
ヘルパーステーションひまわりの約束 管理者
介護福祉士
兵庫県尼崎市で、訪問介護・障がい福祉サービス事業を運営。訪問介護の現場、事業所運営、人材採用・育成に携わっています。
※介護保険制度や申請窓口は変更される場合があります。申請時は尼崎市の公式情報または担当窓口へご確認ください。
