訪問介護の料金はいくら?

「訪問介護をお願いすると、1回いくらかかるの?」

「掃除を1時間お願いしたらいくら?」

「同じ介護保険なのに、住んでいる地域によって料金が違うって本当?」

訪問介護を利用する前に、やはり気になるのが料金だと思います。

介護保険を利用した訪問介護では、全国共通の「単位数」をもとに料金が計算されます。

ただし、実際に支払う金額は全国一律ではありません。

利用するサービスの内容や時間。

1割・2割・3割という自己負担割合。

事業所が算定している加算。

利用する時間帯。

そして、事業所がある地域によって決められる「地域区分」。

こうした条件によって料金が変わります。

この記事では、訪問介護の料金の仕組みについて、尼崎市武庫之荘の「ヘルパーステーションひまわりの約束」が分かりやすく解説します。

※この記事は2026年7月時点の介護報酬制度をもとに作成しています。

目次

訪問介護の料金はどうやって決まる?

訪問介護の基本的な料金は、

介護報酬の単位数 × 1単位あたりの地域単価

によって決まります。

その金額のうち、介護保険負担割合証に記載されている1割・2割・3割を利用者さまが負担します。

例えば、身体介護20分以上30分未満は244単位です。

全国で「244単位」という部分は基本的に同じです。

しかし、1単位を何円として計算するかは地域によって異なります。

これが「地域区分」です。

厚生労働省の現行の単位数では、訪問介護の基本報酬は、身体介護20分未満163単位、20分以上30分未満244単位、30分以上1時間未満387単位、1時間以上567単位となっています。生活援助は20分以上45分未満179単位、45分以上220単位です。

訪問介護の基本料金

まずは、要介護1~5の方が利用する一般的な訪問介護の基本単位を見てみましょう。

身体介護

サービス時間基本単位
20分未満163単位
20分以上30分未満244単位
30分以上1時間未満387単位
1時間以上567単位+30分ごとに82単位

身体介護には、入浴介助、排せつ介助、食事介助、着替え、移動・移乗などが含まれます。

生活援助

サービス時間基本単位
20分以上45分未満179単位
45分以上220単位

生活援助には、掃除、洗濯、一般的な調理、買い物などがあります。

通院等乗降介助

通院などの際の乗車・降車等介助は97単位です。

ただし、実際にどのサービス区分を利用できるかは、本人の状態やケアプランによって決まります。

尼崎市では1単位10.70円

ここが料金を理解するうえで重要なポイントです。

尼崎市は、2024年度から2026年度の介護報酬において5級地に分類されています。

訪問介護は人件費割合70%のサービスなので、5級地では、

1単位=10.70円

として計算します。

介護報酬では、人件費などの地域差を反映するため、1級地から7級地、その他という地域区分を設けています。訪問介護では、1級地11.40円、3級地11.05円、4級地10.84円、5級地10.70円、6級地10.42円、7級地10.21円、その他地域10円という単価になります。尼崎市は5級地です。

尼崎市で利用した場合の料金目安

では、尼崎市の1単位10.70円で計算してみます。

以下は、加算などを含めない基本報酬だけの概算です。

サービス総費用の目安1割負担の目安
身体介護20分未満約1,744円約175円
身体介護20~30分未満約2,610円約261円
身体介護30~60分未満約4,140円約414円
身体介護1時間以上約6,066円約607円
生活援助20~45分未満約1,915円約192円
生活援助45分以上約2,354円約236円
通院等乗降介助約1,037円約104円

例えば、身体介護30分以上1時間未満の場合、

387単位 × 10.70円

となるため、サービス費全体は約4,140円です。

1割負担であれば約414円。

2割負担なら約828円。

3割負担なら約1,242円が一つの目安になります。

ただし、実際の請求では月単位の計算や端数処理、各種加算があるため、単純に「単位×10.70円×負担割合」と完全に一致しない場合があります。

なぜ地域によって訪問介護の料金が違うの?

「同じ訪問介護なのに、西宮市と尼崎市で金額が違うのはおかしくない?」

と思われるかもしれません。

これは、介護サービスに必要な人件費などに地域差があるためです。

介護報酬では、東京の中心部と地方の市町村をまったく同じ金額にすると、地域による人件費の差を反映できません。

そこで、

サービスの単位数は全国共通にしながら、1単位あたりの金額を地域ごとに変える

という仕組みになっています。

厚生労働省も、従業者の賃金などの地域差を介護報酬に反映するため、地域ごと・サービスごとに1単位の単価を設定していると説明しています。

尼崎市と周辺地域ではどのくらい違う?

兵庫県内でも地域区分は異なります。

2024年度から2026年度の主な区分を見ると、

地域地域区分訪問介護1単位
西宮市・芦屋市・宝塚市3級地11.05円
神戸市4級地10.84円
尼崎市・伊丹市・川西市・三田市5級地10.70円
明石市・猪名川町6級地10.42円
姫路市・加古川市・三木市など7級地10.21円

例えば身体介護20分以上30分未満の244単位で考えてみます。

尼崎市では、

244単位 × 10.70円 ≒ 2,610円。

一方、西宮市では、

244単位 × 11.05円 ≒ 2,696円。

同じ「身体介護20~30分」というサービスでも、地域区分によってサービス費に差が出ます。

ただし、これは事業所が自由に料金を設定しているわけではありません。

国が定めた介護報酬の仕組みによるものです。

利用者の住所だけで料金が決まるわけではない

地域区分は、基本的に介護サービス事業所が所在する地域をもとに決まります。

つまり、

「尼崎市に住んでいるから必ず尼崎市の地域単価」

と単純に考えるものではありません。

介護報酬では、事業所が所在する地域などを考慮して地域区分が設定されています。

ひまわりの約束は尼崎市に事業所がありますので、介護保険の訪問介護では尼崎市の地域区分を用いて算定します。

1割・2割・3割は何で決まる?

介護保険サービスの利用者負担は、原則1割です。

ただし、65歳以上の方で一定以上の所得がある場合は2割または3割になります。

自分が何割負担なのかは、

介護保険負担割合証

を確認してください。

尼崎市でも、要介護・要支援認定を受けている方などに負担割合証が交付され、記載された割合に応じて利用者負担額が決まります。

例えば、身体介護30分以上1時間未満を尼崎市で利用した場合の基本報酬の目安は、

1割負担:約414円
2割負担:約828円
3割負担:約1,242円

となります。

同じサービスを利用しても、所得等によって実際の自己負担額が違うということです。

基本料金以外に「加算」がある

ここも重要です。

先ほどの料金表は、あくまで基本報酬です。

実際の訪問介護料金には、利用状況や事業所の体制によって加算が追加される場合があります。

早朝・夜間・深夜

通常の時間帯以外に訪問介護を利用すると、基本報酬に割増があります。

早朝:午前6時~午前8時
夜間:午後6時~午後10時

は25%加算。

深夜:午後10時~午前6時

は50%加算です。

例えば、同じ身体介護でも19時に利用する場合と、昼間に利用する場合では料金が変わる可能性があります。

初回加算

新しく訪問介護を利用し始めるときに、サービス提供責任者が訪問したり、ヘルパーに同行したりするなど一定の要件を満たす場合、初回加算が算定されることがあります。

初回加算は200単位です。

2人のヘルパーで訪問する場合

利用者さまの身体状況などから、1人で安全に介助することが難しく、本人または家族の同意のもと2人で訪問する場合には、2人分の報酬を算定することがあります。

特定事業所加算

専門性の高い人材配置や研修体制、サービス提供体制など、一定の要件を満たしている事業所は、特定事業所加算を算定している場合があります。

そのため、

同じ地域・同じ時間・同じ身体介護でも、利用する事業所によって最終的な金額が違うことがあります。

料金を見るときは「基本料金だけ」で比較しないことが大切です。

2026年6月から処遇改善加算も拡充

介護職員の待遇改善を目的とした「介護職員等処遇改善加算」も、実際の料金に影響します。

2026年6月から制度が拡充され、訪問介護では取得する区分に応じて、基本サービス費や他の加算などをもとに処遇改善加算が算定されます。

現行の訪問介護では、加算区分により17.0%から28.7%の加算率が設定されています。

これは「利用料金が単純に28.7%増える」という意味ではなく、介護報酬上の対象となる単位数に対して算定され、そのうち利用者さまは負担割合に応じた部分を支払います。

そのため、ホームページなどに掲載されている基本料金と、実際の請求額が少し違うことがあります。

契約時には、事業所が算定している加算を含めて説明を受けることが大切です。

月に何回利用すると、いくらくらい?

例えば尼崎市で、身体介護30分以上1時間未満を1割負担で利用するとします。

基本料金だけなら、1回約414円です。

週1回、月4回なら、

約1,656円。

週2回、月8回なら、

約3,312円。

が基本料金部分の目安になります。

ただし、実際には処遇改善加算、初回加算、特定事業所加算、時間帯による加算などが加わる場合があります。

また、訪問介護だけでなく、

デイサービス。

福祉用具。

ショートステイ。

訪問看護。

などを一緒に利用している場合は、それらの介護サービスも合わせて考える必要があります。

要介護度ごとに利用できる上限がある

介護保険の在宅サービスには、要介護度ごとに「区分支給限度基準額」があります。

尼崎市が案内している基準は次のとおりです。

要介護度1カ月の支給限度額
要支援15,032単位
要支援210,531単位
要介護116,765単位
要介護219,705単位
要介護327,048単位
要介護430,938単位
要介護536,217単位

この限度額は訪問介護だけの上限ではありません。

対象となる複数の在宅サービスを合わせて管理します。

限度額の範囲内であれば、原則として負担割合証に記載された1~3割の負担で利用できます。

しかし、限度額を超えた部分については、原則として全額自己負担になります。

そのため、

「訪問介護を何回入れられるか」

だけではなく、

「他の介護サービスも含めて、全体をどう組み合わせるか」

をケアマネジャーと考えることが大切です。

自己負担が高くなった場合の制度もある

介護サービスを多く利用すると、1割負担でも1カ月の自己負担額が大きくなる場合があります。

その負担を軽減する制度が「高額介護サービス費」です。

尼崎市では、介護保険サービスの1カ月の利用者負担額が所得区分に応じた上限を超えた場合、超えた部分が高額介護サービス費として支給されます。

例えば、市民税課税世帯で課税所得380万円未満の場合、世帯の月額上限は44,400円です。

所得区分によって15,000円、24,600円、44,400円、93,000円、140,100円などの上限が設定されています。

ただし、区分支給限度額を超えて全額自己負担となった部分などは、高額介護サービス費の対象外です。

要支援1・2の場合は料金体系が違うことがある

ここも地域差を理解するうえで大切です。

要介護1~5の方が利用する「訪問介護」は、国の介護報酬による料金体系が基本です。

一方、要支援1・2の方や事業対象者が利用する訪問サービスは、介護予防・日常生活支援総合事業として市町村が実施しています。

つまり、

要支援者向けの訪問サービスは、自治体によってサービスの種類や料金体系が違うことがあります。

尼崎市では、

「専門型訪問サービス」

と、

「標準型訪問サービス」

などが用意されています。

専門型訪問サービスは介護予防訪問介護相当のサービス。

標準型訪問サービスは、基準を一部緩和した訪問型サービスです。

そのため、

「大阪市ではこうだった」

「西宮市ではこうだった」

という情報が、そのまま尼崎市でも当てはまるとは限りません。

特に要支援1・2の方は、お住まいの自治体の総合事業について確認することが重要です。

介護保険外の料金は事業所ごとに違う

訪問介護では、介護保険で対応できない支援があります。

例えば、

家族分の掃除。

大掃除。

草むしり。

介護保険のケアプランにない外出支援。

長時間の見守り。

などです。

こうした支援を自費サービスとして提供している事業所もあります。

介護保険サービスの料金は国の介護報酬が基本ですが、

介護保険外の自費サービス料金は、事業所ごとに設定できます。

そのため、事業所を比較するときは、

「訪問介護はいくらか」

だけでなく、

「介護保険外のサービスはあるのか」

「1時間いくらなのか」

「交通費はかかるのか」

なども確認しておくと安心です。

交通費やキャンセル料は?

通常のサービス提供地域内での交通費については、事業所の運営規程や契約内容を確認してください。

通常のサービス提供地域を超えて訪問する場合などは、交通費が発生する事業所もあります。

また、利用者さまの都合で直前にサービスをキャンセルした場合、キャンセル料を設定している事業所もあります。

これらは介護保険の基本報酬とは別の費用です。

契約時に交付される重要事項説明書で確認してください。

料金を確認するときの5つのポイント

訪問介護の料金を確認するときは、次の5点を見ると分かりやすくなります。

1.どんなサービスを利用するのか

身体介護なのか、生活援助なのか。

2.何分利用するのか

20分なのか、30分なのか、1時間なのか。

3.自己負担割合は何割か

負担割合証を確認します。

4.どの加算を算定しているか

処遇改善加算、特定事業所加算、初回加算などがあります。

5.保険外費用があるか

交通費、キャンセル料、自費サービスなどです。

「ホームページに○○円と書いてあったのに違った」

ということを防ぐためにも、サービス開始前に見積もりや料金表を確認してください。

よくある質問

訪問介護は1時間いくらですか?

一律ではありません。

身体介護か生活援助かによって基本単位が異なり、地域区分、負担割合、加算によって金額が変わります。

尼崎市では訪問介護の地域単価は1単位10.70円です。

掃除を1時間お願いするといくらですか?

介護保険上の生活援助は、単純な時間制の家事代行サービスではありません。

45分以上の生活援助は220単位ですが、ケアプランに必要なサービスとして位置づけられている必要があります。

尼崎市では基本報酬のみなら、総費用約2,354円、1割負担で約236円が目安です。

尼崎市と西宮市で料金は違いますか?

地域区分が異なるため、同じ基本単位でも金額に差が出ます。

訪問介護では、尼崎市は5級地で1単位10.70円、西宮市は3級地で1単位11.05円です。

事業所によって料金は違いますか?

介護保険の基本単位は同じですが、取得している加算や保険外費用などが異なるため、最終的な自己負担額が違う場合があります。

1割負担なら、すべての費用が1割になりますか?

介護保険給付の対象となるサービスは原則として1割ですが、区分支給限度額を超えた部分や介護保険外の自費サービス、契約上の交通費などは全額自己負担になる場合があります。

要支援1・2でも同じ料金ですか?

必ずしも同じではありません。

要支援1・2の方などは、市町村が実施する総合事業の訪問型サービスを利用する場合があり、料金やサービス体系は自治体によって異なります。

尼崎市で訪問介護の料金が気になる方へ

ヘルパーステーションひまわりの約束は、尼崎市武庫之荘を拠点に、訪問介護・障がい福祉サービス・介護保険外の自費サービスを提供しています。

「訪問介護を使いたいけれど、いくらかかるのか分からない」

「週何回くらい利用できる?」

「身体介護と生活援助で料金はどう変わる?」

「介護保険でできないことを自費でお願いできる?」

そのような段階でもご相談ください。

訪問介護の料金は、一つの金額だけを見ても分かりにくいものです。

利用するサービス。

時間。

負担割合。

加算。

他の介護サービスとの組み合わせ。

本人や家族の状況。

それぞれを確認しながら考える必要があります。

私たちは、ただ料金表をお渡しするだけではなく、

なぜこの料金になるのか。

介護保険でどこまで利用できるのか。

どのような支援方法があるのか。

できる限り分かりやすくご説明します。

安心して自宅での生活を続けるために。

必要な支援と費用を、一緒に考えていきましょう。


執筆者情報

執筆者:夏梅 勇太

株式会社ケアエンリッチメント代表取締役
ヘルパーステーションひまわりの約束 管理者
介護福祉士

兵庫県尼崎市で訪問介護・障がい福祉サービス事業を運営。訪問介護の現場、事業所運営、人材採用・育成に携わっています。

※この記事は2026年7月時点の制度をもとに作成しています。実際の料金は、介護報酬改定、地域区分、利用内容、負担割合、各種加算、事業所の契約内容等によって異なります。サービス利用前に担当ケアマネジャーまたは訪問介護事業所へご確認ください。

目次